――誰かのせいじゃなく、仕組みの話として
自営業の方と話していると、本当によく聞くのが「忙しいんですよね」という一言。
なんとなく共通認識のようにすらなっているこの忙しさ。
でも、なぜそんなに忙しくなってしまうんでしょう?
「仕事が多いから」だけでは片付けられない、自営業特有の“構造”があるように感じます。
「自分でやる」から時間がかかる
会社勤めでは当たり前だった“誰かがやってくれること”。
営業も経理も、郵送も備品の発注も、
自営業ではすべて「自分がやる」選択肢に収まってしまう。
特別なことじゃなくても、
10分の作業が10個重なれば、もうそれで半日が終わってしまう。
判断が多く、思ったより脳みそが疲れる
見積を出すか、断るか。SNSを更新するか、今日は休むか。
この価格でいいか、もっと安くするか。
1日に何度も判断を迫られることも、
じわじわと自営業の疲れに変わっていく原因です。
「これでいいのかな?」と考え続ける時間は、
意外と長いし、気づかれないまま積もっていきます。
人とのやりとりが“重なる”とパンクする
LINE、メール、DM、請求、資料の確認…。
やりとりの「数」が一定ラインを超えると、
内容に関係なくそれだけで負担になる瞬間があります。
特に自営業は、“お客さんが誰か”も、“納期がいつか”も自分で管理。
しかも毎日少しずつ変わるので、日々の調整が仕事そのものになってしまいがちです。
「忙しさの原因が見えにくい」のが一番しんどい
やることは多い。でも、それが売上に直結しているわけではない。
「なぜこんなに忙しいのか、よくわからない」という感覚。
これは、心の疲れにつながりやすい。
忙しさの正体がわかると、ちょっと楽になるかもしれない
自営業の忙しさは、「がんばってないから」でも「仕組み化が足りないから」でもありません。
一人で多くの役割を背負い、日々ジャグリングしているから、忙しいんです。
それは、がんばっている証でもあります。
でも、その忙しさを少しずつ見える形にして、
「ここが大変だったのか」と気づけるだけでも、
ほんの少し、呼吸がしやすくなることがあるかもしれません。
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伊藤 功明(税理士)
仙台を拠点に、個人事業主や小さな法人の税務をサポートしています。
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私がマーケティングを重要視する大きな要因として、「業務の平準化」があります。特定のペルソナに的を絞ることは、仕事を絞ることにもなります。すると、イレギュラーな業務が減るので全体の工数が削減できます。・・・とはいえ、言ってしまえば水物の売上を絞るという選択は、なかなかに勇気がいることだと思います。なので、自分の事業が軌道に乗ったと思ったら、人を雇ったりする前に、自分の仕事を見つめなす時間が優先されるかなと考えます。