――誰かのせいじゃなく、仕組みの話として
自営業の方と話していると、本当によく聞くのが「忙しいんですよね」という一言。
なんとなく共通認識のようにすらなっているこの忙しさ。
でも、なぜそんなに忙しくなってしまうんでしょう?
「仕事が多いから」だけでは片付けられない、自営業特有の“構造”があるように感じます。
□ 「自分でやる」から時間がかかる
会社勤めでは当たり前だった“誰かがやってくれること”。
営業も経理も、郵送も備品の発注も、
自営業ではすべて「自分がやる」選択肢に収まってしまう。
特別なことじゃなくても、
10分の作業が10個重なれば、もうそれで半日が終わってしまう。
□ 判断が多く、思ったより脳みそが疲れる
見積を出すか、断るか。SNSを更新するか、今日は休むか。
この価格でいいか、もっと安くするか。
1日に何度も判断を迫られることも、
じわじわと自営業の疲れに変わっていく原因です。
「これでいいのかな?」と考え続ける時間は、
意外と長いし、気づかれないまま積もっていきます。
□ 人とのやりとりが“重なる”とパンクする
LINE、メール、DM、請求、資料の確認…。
やりとりの「数」が一定ラインを超えると、
内容に関係なくそれだけで負担になる瞬間があります。
特に自営業は、“お客さんが誰か”も、“納期がいつか”も自分で管理。
しかも毎日少しずつ変わるので、日々の調整が仕事そのものになってしまいがちです。
□ 「忙しさの原因が見えにくい」のが一番しんどい
やることは多い。でも、それが売上に直結しているわけではない。
「なぜこんなに忙しいのか、よくわからない」という感覚。
これは、心の疲れにつながりやすい。
□ 忙しさの正体がわかると、ちょっと楽になるかもしれない
自営業の忙しさは、「がんばってないから」でも「仕組み化が足りないから」でもありません。
一人で多くの役割を背負い、日々ジャグリングしているから、忙しいんです。
それは、がんばっている証でもあります。
でも、その忙しさを少しずつ見える形にして、
「ここが大変だったのか」と気づけるだけでも、
ほんの少し、呼吸がしやすくなることがあるかもしれません。
私がマーケティングを重要視する大きな要因として、「業務の平準化」があります。特定のペルソナに的を絞ることは、仕事を絞ることにもなります。すると、イレギュラーな業務が減るので全体の工数が削減できます。・・・とはいえ、言ってしまえば水物の売上を絞るという選択は、なかなかに勇気がいることだと思います。なので、自分の事業が軌道に乗ったと思ったら、人を雇ったりする前に、自分の仕事を見つめなす時間が優先されるかなと考えます。