こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。
先日、Instagramで「領収書をやたらとかっこいいものだと思っている人」のコント動画が流れてきました。
アルバイトなのに、「領収書があれば国からお金が戻ってくる!」と言いながら、確定申告って何?という感じの内容で、思わず笑ってしまいました。
もちろんコントなので大げさな話ですが、自営業でも「経費になるなら買った方が得」と考える場面は意外とあります。
ただ、経費は魔法ではありません。
経費が増えれば、その分利益は減ります。
利益が減れば、行き着く先は赤字です。
では、赤字で税金を払わないことは、本当に賢い選択なのでしょうか。
経費は「税金を減らす魔法」ではありません
「経費になる」ということは、「お金が戻ってくる」という意味ではありません。
例えば10万円のものを買って経費にしたとしても、10万円が戻ってくるわけではありません。
税率にもよりますが、減るのは税金の一部です。
つまり、税金は減っても、お金そのものは出ていっています。
だからこそ、「経費になるから買う」ではなく、「仕事に必要だから買う」が本来の順番です。
仕事につながる支出なら、赤字でも意味があります
もちろん、赤字になること自体が悪いわけではありません。
広告を出す。
新しい設備を導入する。
仕事で使うパソコンを買い替える。
こうした支出は、今年は赤字になったとしても、将来の売上につながる可能性があります。
必要な投資であれば、赤字になることを過度に恐れる必要はありません。
赤字の一番のデメリットは、お金が減ることです
赤字のデメリットというと、「融資で不利になる」「決算書の評価が下がる」といった話をよく聞きます。
もちろん、それらも大切です。
ただ、私が一番大きいと思うのは、当たり前ですが、お金が減るということです。
生活費に余裕があり、その範囲で趣味や好きなことにお金を使うのは、私は全く悪いことではないと思っています。
ただ、「経費になるから」という理由で、本来そこまで必要ではないものまで買ってしまうと話は別です。
「経費になるから」と仕事との関係が薄い支出まで増やしてしまうと、事業に残るはずだったお金が減ります。
小さな事業では、そのお金は最終的には自分が生活費として使えたはずのお金でもあります。
節税しているつもりでも、実際には自分の首を絞めていることも少なくありません。
税金は減っても、お金そのものが増えるわけではありません。
「税金を払わないこと」より「お金を残すこと」
税金を払いたくない、という気持ちはよく分かります。
私も税理士なので、必要以上の税金を払う必要はないと思っています。
ただ、それ以上に大切なのは、事業にお金を残すことです。
利益が出たから税金を払う。
その利益を使って、また次の仕事につながる投資をする。
この流れの方が、事業は長く続きやすくなります。
経費は、税金を減らすためのものではありません。
仕事をするために必要だから使うものです。
その結果として経費になり、税金が減る。
「経費だから得」ではなく、「お金は確実に減っている」という感覚は、忘れない方がいいと思います。
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伊藤 功明(税理士)
仙台を拠点に、個人事業主や小さな法人の税務をサポートしています。
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