「このオムライスに、付加価値をつけてください」

こんにちは。仙台在住の税理士、伊藤です。
今日は、タイトルを見て思わず手に取った本のご紹介です。

『このオムライスに、付加価値をつけてください』(柿内尚文 著)

この本では“既存価値”にどんな“付加価値”をどう加えるかを、オムライスや定食といった身近な例を通じてわかりやすく解説しています。
「いいモノを作っただけでは売れない時代に、どう価値をつけていくか?」という問いに対して、マーケティングやブランディングの視点からヒントをくれる一冊です。


「価値」は3つに分けられる

この本を読んでいて、仕事にもそのまま当てはまると感じたのが、「価値」を3つに分けて考えるという視点です。

1. 既存価値

すでに当たり前として存在している価値。
たとえば「オムライスの卵がふわとろであること」や、「税理士が申告書をきちんと仕上げてくれること」。
必要なことだけれど、それだけでは選ばれる理由にはなりにくい。

2. 付加価値

他と差別化する“プラスα”の魅力。
おしゃれな盛り付け、ストーリー性のある食材、ちょっとした会話のサービス。
税理士なら「毎月の定期面談」や「経営アドバイス」などが該当するかもしれません。

3. 不要価値

本人は良かれと思ってやっているけど、相手にとっては余計なこと。
たとえば、無駄に多機能な家電。シンプルに使いたい人にとっては、操作が複雑なだけの“迷惑機能”になり得ます。


税理士業務にも「不要価値」があるかもしれない

修行時代に感じたことがあります。

たとえば「毎月の定期面談」。
ある程度の規模の会社にとっては、経営の節目や判断の材料になる大切な時間。
でも一方で、個人事業主や小規模法人にとっては「ちょっと時間を取られるだけの形式的な時間」になってしまうこともある。
むしろ「面談がない方が気が楽」と言われることもありました。

こちらとしては「ちゃんと話せた方がいい」と思っていても、それは押しつけの価値、つまり「不要価値」になっているかもしれません。


「付加価値もやがて既存価値になる」

本に書いてたのは、「どんなに新しい価値でも、いずれは当たり前になる」という話でした。

たとえば、コロナ禍の初期に喜ばれた「リモート対応」や「非対面のやりとり」。
当時は「便利ですね!」と新鮮さがありましたが、今となっては多くの事業者にとって“あって当然”の機能になりました。

つまり、税理士の非対面顧問はすでにもう「既存価値」になりかけていると考えます。
だからこそ、今後も「新たな付加価値」を探し続ける必要があります。


おわりに

サービスを「増やす」ことが目的ではなく、
「相手にとって意味のある形で届ける」ことが大事。

自分の中の「良かれと思って」は、一度疑ってみる。
「本当に必要とされている価値ってなんだろう?」と問い続けながら、
必要な人に、必要な形で、そっと力になれる存在でありたいと思っています。