こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。
最近、新総理が「ワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」と発言して話題になりました。
強要というより、「それくらいの覚悟でやる」という宣言のように感じます。
ただ、働き方や価値観なんて人それぞれ。
そのバランスは、年齢やライフステージによって自然と変わっていくものだと思います。
ライフステージによって変わるバランス
「ワーク・ライフ・バランス」って、固定された理想じゃなくて、変化していくものですよね。
たとえば、育児や介護の時期はどうしても「ライフ寄り」になります。
一方で、自分の時間が増えれば「ワーク寄り」にシフトする人も多い。
家庭環境や役割、趣味や性格でも違う。
誰かの正解を真似するより、「いまの自分にとって心地いい形」を見つけることが大事です。
そしてその判断には、経験を通じて感じたリアルが欠かせません。
やってみて、続けてみて、「これは合うな」「これはちょっと違うな」と気づいていく。
そうやって少しずつ、自分らしいバランスができていくんだと思います。
20代がいちばん難しい理由
個人的に、ワーク・ライフ・バランスがいちばん難しいのは20代だと思います。
なぜなら、どれを選んでも正解だし、どれを選んでも後悔が残りやすいから。
- 新卒や入社3年目のうちにキャリアアップ
- 激務の中でスキルを磨く
- 遊びまくって「もう満足!」になる
- 資格試験や留学に没頭する
どれも立派だし、どれも間違いじゃない。
でも、選択肢が多い分だけ「もしあっちを選んでたら」と考えやすい。
どこを切っても“正解”で、“未練”が残るのが20代なんですよね。
もちろん、全部うまく両立できる人もいます。
でも、正直そんな人はレア。
だからこそ大事なのは、どこかで立ち止まって考えること。
将来どうなっていたいか。
今の仕事のどの部分が楽しいか。
自分にとって「これだけは外せない」と思えるものは何か。
それを“頭で考える”だけじゃなくて、実際に動いて、経験を通じて内省すること。
うまくいったことも、失敗したことも、全部が自分の軸を見つけるヒントになります。
20代はその「試行錯誤の時期」くらいに思っておくのが、ちょうどいいのかもしれません。
30歳前後の転機
30歳前後になると、バランスの取り方を見直す人が多い気がします。
仕事ばかりだった人は「青春を取り戻す」ように趣味や遊びを再開し、
逆に遊んでばかりだった人は「そろそろ本気を出そう」と仕事に振り切る。
自分の場合も、30歳くらいまでは仕事はそこそこ、遊びも勉強もそこそこ。
仕事が楽しくなって「これを一生の仕事にしたい」と思ったのが28歳。そこから資格勉強に本腰を入れました。
遊びに関しては、20代のうちに「もう十分」と思えたものもあれば、30を過ぎてからハマったもの(特にゲーム)もあります。
中途半端といえばそうかもしれませんが、今となってはそれで良かったと思っています。
振り返ると、経験の積み重ねの中で、自分の価値観や優先順位が形になっていった感じです。
その実感が持てるようになるのも、この年代ならではかもしれません。
まとめ:バランスは「取る」より「変えていく」
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を聞くと、きれいな配分を目指したくなります。
でも実際は、状況に合わせて変わっていくもの。
フェーズが変われば、価値観も優先順位も自然に変わります。
大切なのは、
「今の自分にとって、どんなバランスがちょうどいいか」
を、たまに立ち止まって見直すこと。
そして、頭の中だけで考えずに、経験を通じて確かめながら調整していくこと。
その繰り返しが、無理なく働き続けるためのいちばんの近道だと思います。