苦手が一緒だとうれしい理由

ある人のプロフィールに「車の運転が苦手です」と書かれていて、なんだか急にその人のことが好きになったことがあります。
顔も知らないし、会ったこともないのに、「わかるなあ」と思って、妙に親近感がわいてしまいました。

ふと考えてみると、それって「好き」じゃなくて「苦手」の共通点だったんですよね。


「好き」でつながるのは、楽しい

共通の「好き」があると、それだけで話が盛り上がります。
同じアーティストが好きだったり、好きな映画が一緒だったりすると、「あの曲いいよね!」「このシーン泣けるよね!」と、自然に会話が広がります。

テンションも上がりますし、「わかる!」の連続で、ぐっと距離が縮まる感覚があります。
好きでつながる時間って、やっぱり楽しいものです。


「苦手」でつながると、ほっとする

一方で、「自分も運転苦手なんですよ」みたいな会話には、ちょっと違った温度があります。
盛り上がるというよりは、空気がふわっとやわらかくなって、「この人と気が合いそうだな」と思える、そんな安心感があります。

苦手なことって、ちょっと恥ずかしかったり、弱みだったりするので、共通点として話せる相手って、なんとなく信頼できる気がします。
落ち着ける関係というか、「無理にがんばらなくてもいいよね」という空気がそこにあります。


「好き」はエネルギー、「苦手」は安心感

どちらが良い・悪いという話ではありません。
「好き」はエネルギーが生まれるし、「苦手」は安心感が生まれます。

好きなものが同じだと一気に仲良くなれるし、苦手なものが同じだと長く心地よくいられる。
そういう違いがあるのかなと思います。


無理に合わせないでいられる関係

「それ、ちょっと苦手なんだよね」と言っても、否定されない関係ってありがたいものです。
相手の苦手にも自然とやさしくなれるし、自分も無理せずそこにいられる。

だからこそ、苦手の共通点って、じんわりと嬉しいのかもしれません。


共通点と聞くと「好きなもの」を思い浮かべがちですが、
「苦手なもの」にも、実はつながりの種が隠れているのかもしれませんね。

苦手って恥ずかしいことも多いですが、しっかり開示すれば効果的なブランディングになると考えます。
こどもたちにパパは野球とキノコが苦手だよと教えたら、テレビで野球が映るたびに「やきゅうだよ、やきゅうだよ」と教えてくれます。(嫌がらせなのか?)