クラウド会計時代の記帳代行について思うこと

こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。

先日、行きつけの服屋さん(Snipeさん)と話していたときに、面白い話になりました。

「ユニクロの立ち位置、変わったよね」という話です。

昔は「ユニバレ」なんて言葉もありました。

「あ、それユニクロなんだ…」みたいな、ちょっとネガティブなニュアンスです。

でも今は逆ですよね。

「あ、それユニクロなんだ!?」みたいな。ポジティブな意味で。文章で見ると同じ日本語なのに。

ユニクロの価値って変わった気がする

私はかなりのヘビーユーザーです。

暇さえあれば公式アプリを見ていますし、駅前に行けばとりあえず立ち寄ります。

特にユニクロ:Cはかなり好きです。スウェット、スウェットパンツ、タックテーパードパンツはかなり着ています。

ニードルスやエンジニアドガーメンツ(GUのほうだっけ?)など、人気ブランドとのコラボも印象的ですよね。

昔は「安い服」というイメージが強かった気がしますが、今は「ちゃんとおしゃれな服を、ちゃんとした価格で買える」という立ち位置になった気がします。

価値そのものが変わったというより、見え方や受け取られ方が変わった感じです。

(そういえば、オックスフォードシャツがブルックスブラザーズのとかなり似てるらしい)

記帳代行も、立ち位置が変わった気がする

で、ここから無理やり業界の話に置き換えてみます。

税理士業界でいうと、少し似ているのが「記帳代行」と「自計化」かなと思っています。

記帳代行は、お客様の資料を一式お預かりして税理士側で入力すること。

自計化は、お客様自身で会計ソフトを入力して、税理士がチェックすることです。

私が業界に入った2011年頃は、まだ銀行連携やクラウド会計も今ほど普及していませんでした。ちょうど「自計化を推進しよう!」という流れが強かった時代です。顧客に入力方法を教えて、税理士はチェックやコンサルに注力する的な。

私も当時は、

「記帳代行って地味だな」
「これからはチェックやコンサルや!」

くらいに思っていました。

TKCの事務所だったから、というのもあるかもしれません。

技術が進んで、見え方が変わった

その後、銀行連携やクラウド会計、フィンテックが広がりました。

「これで入力の手間も減るし、お客様も楽になる!」

と思っていました。

でも実際にやってみると、案外そうでもないケースもありました。

もちろん、自計化がうまくハマる方もいます。

ただ、

「これで合ってるのかな」
「連携してるけどほんとに大丈夫かな」

となる方も結構多いです。

例えば、

・発生ベースの経理がうまくできない
・システム連携で手数料の処理がズレる
・数字は入っているけど意味が分からない
・決済やら未決済やらゴチャゴチャ

こういうことって案外あります。

ここで結構あるのが、

「連携してるなら簡単ですよね?」

という認識です。

たしかに、取り込むだけなら簡単です。

ボタンを押せばデータは入りますし、昔みたいに通帳を見ながら手入力する必要もかなり減りました。

でも税理士側からすると、そこからが本番だったりします。

ちゃんと発生ベースになっているか、手数料はどう処理されているか、二重計上していないか、変な動きがないか。

「数字が入った」と「正しい経理になっている」は、意外と別なんですよね。

見た目はラクそうに見えるんですが、裏側では確認するポイントが案外増えていたりします。

記帳代行の価値も変わってきた

私自身、2015年頃からExcelインポートでの記帳代行に注目していて、当時はVLOOKUP関数を組んだり、いろいろ試していました。

ただ、その頃はOCR(PDFや画像の文字読み取り)が正直かなり微妙でした。

でも今はすごいですね。Geminiとか触ると普通に感動します。

技術が進んだことで、「入力する作業」自体の価値は下がったと思います。

でも逆に、

「正しく整理する」
「意味を理解する」
「最後まで巻き取る」

こういう価値はむしろ上がっている気がします。

私が普段見ている規模感のお客様でいうと、最新技術を活用しながら全部巻き取ってしまった方が、お互いハッピーなことが結構あります。

なので今の私は、

自分で日々数字を見たい人は自計化。
そうじゃない人は記帳代行。

くらいのスタンスで、基本的には記帳代行を推奨しています。

昔の「記帳代行=地味で補助的な仕事」みたいな見方からすると、個人的にはかなり価値観が変わりました。

ちょっとユニクロっぽいなと思った話でした。


伊藤 功明(税理士)
仙台を拠点に、個人事業主や小さな法人の税務をサポートしています。
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