こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。
事業を続けていて、売上もある程度安定してきた。
そんなとき「次の一手」をどうするか、迷うことはありませんか?
単価を上げてマーケティングに力を入れるのか、人を雇ってマネジメントに踏み出すのか。
あるいは「拡大はしない」と決めているから現状維持でいいのか。
今日は、この判断を「時間管理マトリックス」にあてはめて考えてみたいと思います。
時間管理マトリックスとは?
時間管理マトリックスは『7つの習慣』で有名になった考え方です。
縦軸に「重要/重要でない」、横軸に「緊急/緊急でない」を置き、仕事を4つに分類します。
- 第Ⅰ領域:緊急かつ重要(例:締切、トラブル対応)
- 第Ⅱ領域:緊急でないが重要(例:人材育成、ビジョン設計)
- 第Ⅲ領域:緊急だが重要でない(例:雑務、他人都合の急ぎ仕事)
- 第Ⅳ領域:緊急でも重要でもない(例:だらだらSNS)
大事なのは「第Ⅱ領域」、つまり緊急ではないけれど、将来のために必要なことに時間を投資することです。
事業の「次の一手」も第Ⅱ領域にある
事業を続けていると、第Ⅰ領域ばかりで一日が終わってしまうことがあります。
申告や納期、トラブル対応…。やらなければならないことをこなすだけで精一杯。
けれど、売上が安定してきた段階で考えるべき「次の一手」は、第Ⅱ領域に属します。
たとえば、単価アップのマーケティングや、人を雇うかどうかの検討。
どちらも緊急ではありませんが、長期的には事業の形を左右する重要なテーマです。
「拡大しない経営」でも現状維持はできない
「大きくはしない」と決めている経営者も多いと思います。
ただ、拡大しないことと、現状維持は違います。
現状維持とは、実は何もしないことではなく、少しずつ仕組みを更新し続けること。
価格やサービスを時代に合わせて改善する。
自分が楽になるように業務フローを見直す。
そうやって、第Ⅱ領域を丁寧に積み上げていく必要があります。
その積み重ねが、拡大しなくても続けられる経営につながるのです。
単価アップか、人を雇うか
では、単価アップと人の採用、どちらを優先すべきでしょうか。
単価アップは、小さく試して改善できる取り組みです。
一方で人を雇うのは、その人の人生を背負う覚悟が必要で、長期的なビジョンとセットで考えるべき大きな選択です。
つまり「次の一手」は、自分の将来像から逆算するのが正解です。
拡大して組織をつくりたいのか。
一人でできる範囲を高めていきたいのか。
どんな日常を送りたいのかを思い描くと、自然と答えが見えてきます。
私の「第二領域」
私自身も、第二領域を意識してタスクに入れています。
たとえば ホームページの更新。
集客とブランディングの肝になる部分なので、後回しにはできません。
日々の申告や相談対応に追われるとつい忘れがちですが、ブログを積み重ねたり、サービス案内を見直したりすることで、長期的に安定した問い合わせにつながります。
しかも、考え方やスタイルはその時どきで変わっていきます。
だからこそ「今の自分にフィットする形」に常に更新していくことが大事だと感じています。
まとめ
時間管理マトリックスは、本来は個人の時間術ですが、事業の判断にも応用できます。
次の一手を考えるとき、目先の緊急性に流されるのではなく、第Ⅱ領域に光を当ててみる。
拡大しない経営であっても、現状維持で立ち止まるのではなく、
小さな改善や仕組みづくりを積み重ねていく。
私にとってはホームページ更新がその一例です。
皆さんにとっての「第二領域」は何でしょうか?
その積み重ねが、続けられる事業をつくるのだと思います。