こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。
良かれと思って始めたサービスが、いつの間にか「やめられないもの」になってしまうことがあります。最初は相手のためにと思って始めたのに、気づけば提供側も受け手も得していない。そんな「過剰サービス」、意外と身近にあります。
過剰サービスはなぜ生まれるのか
サービスの世界では、「親切心」や「差別化」をきっかけに新しい取り組みを始めることがあります。
しかし、一度提供を始めると「続けるのが当然」という空気になりがちです。
やめた途端に「質が落ちた」「前のほうが良かった」と思われるのが怖くて、惰性で続けてしまう。結果的に、提供側は義務感に追われ、受け取る側もありがたみを感じない。誰も得していない状態に陥ります。
具体例:メルマガ
その代表例が「メルマガ」ではないでしょうか。
面白くてつい読みたくなる内容なら、むしろブランドを強める大きな付加価値になります。
一方で、義務感で配信されているのが透けて見えるメルマガは、受け手にとっても負担です。「読むのが面倒」「もうマンネリ」と思われれば、配信側・受信側ともにメリットがありません。
それでもやめられないのは、始めてしまったがゆえの責任感や、「やめたら格落ちに見えるのでは」という不安。こうして“やめ時の見えないサービス”が生まれていきます。
良いサービスと悪いサービスの境目
過剰サービスはすべて悪いわけではありません。
- 良いサービス:お客さんにとって意味があり、楽しみや信頼につながるもの。
- 悪いサービス:形だけが残り、続けること自体が目的化しているもの。
この境目を意識するだけでも、サービスの価値は変わってきます。
サービスを棚卸ししてみませんか
大事なのは、やめることを“裏切り”と捉えないことです。
むしろ「余計なことをせず、必要なことをきちんとやる」ほうが、関係性が長続きする場合も多いのです。
だからこそ、定期的にサービスの棚卸しをしてみてください。
- 本当に意味のあるサービスか?
- 義務感で続けていないか?
- やめても誰も困らないのではないか?
値上げを考える前に、過剰サービスをやめることで、関係性が健全になるケースもあります。
まとめ
「やめる勇気」は、お客さんをないがしろにすることではありません。
大切なのは、長く信頼関係を続けていくために、サービスを整理整頓すること。
過剰サービスを抱え込むのではなく、「意味のあるものだけを残す」ことが、結果的にお客さんのためにも、自分のためにもなるのだと思います。