「カバーって、なんかカラオケみたいでちょっと苦手」
そんな話を聞くことがあります。
たしかに、原曲に思い入れがあると「これは違う」と感じることもあるし、“本家を越えられないもの”として見られてしまうこともある。
でも、そんな先入観を静かにひっくり返してくれたのが、カバーという表現の奥深さでした。
『Sugar』をきっかけに、“知らなかった名曲”に出会う
印象に残っている一曲に、**Derek Trucks Bandによるスティーヴィー・ワンダーの『Sugar』**があります。
この演奏を初めて聴いたとき、「え、なにこの曲、めちゃくちゃかっこいい……」と驚きました。
グルーヴ、ボーカル、アレンジ、すべてが自分好みで、すぐに原曲を調べてスティーヴィー・ワンダーの曲だと知ったとき、正直ちょっと悔しかった。**「こんな名曲、知らなかった」**と。
自分の中の音楽の引き出しが、ひとつ開いた瞬間でした。
カバーの魅力は、大きく2つある
1. 原曲から音楽が広がっていく
気になるカバーに出会ったら、自然と「これ、誰の曲なんだろう?」と調べたくなる。
すると、そこから原曲のアーティストの世界が広がっていきます。
ある曲をたどっていくうちに、そのアーティストの他の作品、共演者、影響を受けた音楽……と芋づる式に広がっていく。
カバーは、その入口になる“音楽の旅のはじまり”のような存在です。
2. 「違い」を楽しむという豊かさ
カバーの面白さは、原曲との違いを楽しめること。
声の質感、テンポ、アレンジ、サビの盛り上げ方――演奏する人が違うだけで、同じ曲がまったく違う表情になる。
カバーって、「この曲をこの人がやったらどうなるか?」という実験でもあり、オリジナルへのリスペクトや独自の解釈がにじむ場所でもある。
そこに込められた“その人らしさ”に触れたとき、音楽はよりパーソナルに、より立体的に感じられる。
まとめ
カバーを聴くことで、知らなかった曲が好きになったり、知っていた曲がもっと好きになったりする。
そんな体験が何度も積み重なるうちに、気づけばカバーソングばかりのプレイリストが出来上がっていました。
カバーって、真似じゃない。
むしろ“もうひとつの入り口”として、音楽を広げてくれる存在なんだと思います。
むかし仙台のジャズフェスで「sugar」を演奏されたバンドがいて、全く面識も無いのにライブ後に「sugar良かったです!」って話かけに行って(テンションが上がりすぎた)、一緒にいた友達にドン引きされたことがありました。「sugar事件」と呼ばれています。(どうでも良いですが、chat GPTにニュアンスが上手く伝わらず、めずらしく何度かリテイクしました。)