こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。
法人の決算月は、個人事業主と違って自由に選べます。設立時に「何月にしますか?」と聞かれて、とりあえず3月にしてしまう方も多いのですが、実はここ、少し考えておくと後が楽になります。
どうして3月決算が多いのか
上場企業や官公庁の年度が4月〜翌3月というサイクルで動いていることもあり、「決算=3月」というイメージが根強いです。結果的に、中小企業も3月に合わせてしまうことが多いのですが、必ずしもそれがベストとは限りません。
決算月を選ぶときに意識したいこと
法人税や消費税の申告期限は、決算日の2か月後です。
例えば5月決算なら、7月末が申告・納付期限になります。
- 5月末:決算日
- 6月末〜7月上旬:決算書や申告書の準備(あくまで目安)
- 7月末:申告・納付期限
決算月の少し前から、この申告期限までの約3か月間は、事務作業や税理士とのやり取りが増えることが多いです。
「資料の準備や確認に追われる時期」と「本業の繁忙期」が重なると、かなり負担感が大きくなります。
繁忙期と期ズレリスク
繁忙期は売上が大きくなることも多く、その分「期ズレ」のリスクも高まります。
期ズレとは、売上や経費を本来計上すべき期ではなく、前後の期にずらしてしまうことです。意図的にやれば脱税につながりますが、実際には請求や入金、納品のタイミングの勘違いなど、単純な事務ミスで起きるケースも多いです。
例えば、3月末決算の会社が、3月に納品しているのに4月の日付で請求書を発行してしまうと、その売上は次の期に回ってしまいます。こうしたズレは、税務調査で確認されやすいポイントのひとつです。
税理士的なお願いごと
これはあくまで私の事務所の場合ですが、1月〜3月は年末調整や確定申告でピークになります。この時期に決算月が重なると、どうしてもタイトな進行になってしまいます。
たまに「税理士さんの忙しい時期を避けようと〇月にしたんです」と言われることがあります。ところが、その〇月が実は一番忙しい月だった…という、ちょっとしたすれ違いもあったりします。
まとめ
決算月は、
- 本業の繁忙期を避ける
- 決算後2か月のスケジュールを意識する
- 税理士と相談して決める
この3つを押さえておくと安心です。
税理士的には11月〜3月決算を外してもらえると、比較的じっくり対応できますが、あくまで本業の都合が最優先。無理のない時期を選ぶことが、長く続く経営には大切です。