SNSでの尖ったキャラ、集客ではなく“求人”目的が多い説

こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。

SNSを見ていると、ナウル共和国さんやキングジムさんなど、ユニークな発信で人気のあるアカウントがたくさんあります。
企業なのに、まるで一人の人が話しているような親しみやすさ。
いまや「キャラクター性のある発信」は、SNSではすっかり定番のスタイルになりました。

税理士業界でも同じ流れが見られます。
かたい印象をやわらげたり、日常や考え方を発信したりして、「キャラを立たせる」ことでブランディングをしている人が増えています。


キャラクターが先行しすぎると、誤解を生むリスクも

ただ、キャラクターが前に出すぎると、諸刃の剣にもなります。
SNSでは“わかりやすさ”が大事ですが、わかりやすくすればするほど、見る側の期待も膨らむ。

実際に会ったり、仕事を依頼したときに「思っていた人と違った」と感じることがあれば、それは小さくても“誇大広告”のようなギャップです。
特に税理士のように信頼を前提とする職業では、発信の印象と実際の仕事との間にズレがあると、それだけで信頼を損ねるリスクがあります。

共感されやすいキャラクターは、同時に誤解されやすいキャラクターでもあります。
だからこそ、“演出”の線引きを意識しておく必要があります。


尖ったキャラは、顧客ではなく“内輪”に向けたもの

ここ数年、「尖ったキャラ」の税理士アカウントが目立ちます。
ですが、よく見るとその多くは集客よりも採用や組織ブランディングを目的にしているように思えます。

つまり、顧客ではなく「価値観の合う同業者」や「一緒に働きたい人」に向けた発信。
SNS上で共通言語を作ることで、社風やチームの雰囲気を可視化しているんですね。

この場合、“尖り”はむしろ効果的。
価値観が合う人を引き寄せ、合わない人を遠ざけるフィルターとして機能します。
でも、このやり方を顧客向けの集客に使うと、違和感が生まれやすい。
「誰に向けた発信なのか」を整理しておくことが、まず第一歩です。


自営業でSNSを活用するなら、“キャラづくり”より“らしさの設計”を

個人で仕事をしている人にとっても、SNSは有力な発信手段です。
だからこそ、キャラを“作る”より、“らしさ”を設計するほうがうまくいきます。

・自分の仕事にどんな価値観があるか
・どんな人に安心感を与えたいか
・どんな言葉なら実際の自分とギャップがないか

このあたりを意識しておくだけで、自然と印象が整っていきます。
無理にキャラを立てなくても、日々の言葉づかいや考え方の積み重ねで“らしさ”は伝わるものです。


信頼を積み上げる発信を

SNSでは、個性があるほど目立ちます。
けれど、信頼が求められる仕事ほど、“派手さ”よりも“誠実さ”が響く。

キャラをつくるより、自分を整える。
演出よりも、一貫性。

自分の仕事の延長線上にある発信を続けていくことが、
結果的に一番“キャラが立つ”道なのかもしれません。


伊藤 功明(税理士)
仙台を拠点に、個人事業主や小さな法人の税務をサポートしています。
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