具体例で見る交際費。仕事のつながりに使ったお金の話

こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。

今回は「交際費の範囲」について。
このテーマ、意外と質問が多いんです。
「これは経費になるの?」「お土産や食事はどこまでOK?」と聞かれることがよくあります。

今日は、実際によくあるケースを例に整理してみます。


交際費とは

交際費とは、取引先など外部との関係を円滑にするための費用のことです。
接待・贈答・慰安などに使った支出が該当します。

法人税法施行令では、
「事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のための支出」と定義されています。

つまり、「社内の飲み会」や「家族との食事」は対象外。
あくまで仕事上の関係を良くするための支出かどうかが判断の基準になります。


具体例で見る交際費

家族旅行先で買った取引先への手土産

旅行自体は私的でも、取引先へのお土産は「贈答」として交際費に該当します。
事業に関係する相手への贈答であれば問題ありません。


遠方から来てくれた同業者へのお土産

同業者であっても、仕事の打合せや情報交換など業務上の関係がある場合は交際費に含まれます。
単なる友人としての付き合いであれば経費にはなりません。


取引関係や業務委託関係のある人とご飯に行った

協力業者や外注先など、仕事上の関係がある人との食事は交際費として扱います。
食事の場が親睦や情報交換を目的としており、事業上のつながりを保つためのものなら問題ありません。

一方、アルバイトや従業員など社内の人との食事は福利厚生費や給与扱いとなるため、交際費にはできません。


経費にするためのポイント

交際費が認められるかどうかは、事業との関連性が説明できるかどうかで判断されます。

チェックポイントは次の3つ。

  • 相手が事業に関係する人か
  • 支出の目的が明確か
  • 証拠(領収書・メモ)が残っているか

たとえば、領収書に「○○株式会社A様との会食」「〇〇取引先への贈答」などとメモしておくと安心です。


まとめ

交際費は、「仕事のためのつながり」に使った費用であれば経費として認められます。
ただし、私的な支出や社内向けの支出は対象外です。

迷ったときは、
「この支出を税務署に説明できるか?」
これを基準に考えると判断しやすくなります。


伊藤 功明(税理士)
仙台を拠点に、個人事業主や小さな法人の税務をサポートしています。
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