法人成りしたときの住民税特別徴収の引き継ぎと給与支払報告書

こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。

年明けにかけて、1/1から法人成りという関与先が、数年に1件ほどあります。
その中でも意外と悩ましいのが、住民税の特別徴収の引き継ぎ給与支払報告書の扱いです。

今回は
「個人事業 → 新設法人」へ切り替わる際の住民税まわりの整理について、
市役所の方と相談しながら進めた内容を、メモ代わりにまとめておきます。

あくまで一例ですが、同じようなケースの参考になれば幸いです。


① 給与支払者の所在地・名称等変更届出書

まず最初に提出するのがこれです。

給与支払者の所在地・名称等変更届出書

個人事業から法人へ切り替わる場合でも、
特別徴収の実務上は、この届出がまず必須になります。

ポイントとしては、

  • 給与支払者が個人から法人に変わったことを明示
  • 履歴事項全部証明書(謄本)を添付

税務上は別人格ですが、
住民税の特別徴収では「変更」という整理になる、という感覚です。


② すでに特別徴収しているスタッフがいる場合

すでに個人事業主名義で
スタッフの住民税を特別徴収している場合。

このケースでは、

給与所得者異動届出書(特別徴収)
を提出して、
引き継ぎ先を新設法人に変更します。

実務的な感覚としては、

  • 退職時の手続きとほぼ同じ
  • 個人名義の特別徴収を止めて、法人名義へ引き継ぐ

これにより、

  • 個人名義の特別徴収は終了
  • 法人名義の新しい納付書が発行

という流れになります。


③ 給与支払報告書はどう書く?

ここも毎年迷いやすいポイントです。

市役所の方と相談した結果、
今回は次の整理で進めました。

  • 総括表
     → 新設法人名義
  • 添付する源泉徴収票
     → 個人事業主名義
     → かっこ書きで法人名を併記

イメージとしては、
提出主体は法人、実際の給与支払実績は個人
という整理です。


④ 特別徴収していないスタッフ・代表者 + 提出タイミング

現時点では特別徴収していないけれど、

  • 最近入社したスタッフ
  • 忘れがちですが代表者本人

こういった方を、
来年度から特別徴収にしたい場合。

この場合は、特別徴収への切替届出書を提出します。

この届出を
早めに提出して、受理されていれば、
翌年度(6月)の課税開始分から特別徴収として処理
される前提で進みます。

タイミングが遅れると、
普通徴収スタート → 途中切替、
という形になりやすいため、ここは早めが安心です。


電子申告より紙提出が無難かもしれない話

これはあくまで実務上の感覚ですが。

給与支払報告書を
電子申告(eLTAX)で提出する場合

利用者識別番号が、個人と法人で別になるため
特に②のような引き継ぎを伴うケースでは、

  • 紐づきがうまくいかない
  • 新しい納付書の発行が遅れる

といったことも起こり得ます。

そのため、

法人成り初年度は紙提出を選ぶ
という判断も、十分アリだと感じました。


まとめ:市町村と相談しながら進めるのが一番安全

今回書いた内容は、

  • あくまで一例
  • 市役所の方と相談しながら進めた流れ

です。

特に、

  • 給与支払報告書の名義整理
  • 特別徴収の切替タイミング

このあたりは、
市町村ごとに運用が微妙に異なる可能性があります。

同じケースも多いと思うので、
迷った場合は
「法人成りで、こういうケースなのですが」
と、早めに相談しながら進めるのが一番確実です。

どなたかの参考になれば嬉しいです。


伊藤 功明(税理士)
仙台を拠点に、個人事業主や小さな法人の税務をサポートしています。
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