こんにちは。仙台の税理士、伊藤です。
最近『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』という本を読みました。
起業家が不確実な状況をどう乗り越えるのかを整理した内容で、とても印象に残っています。その中に「レモネードの原則」という考え方があり、アメリカのことわざやドラマとも結びつく部分があったので、今日はその話を書いてみます。
レモンとレモネードのことわざ
アメリカには有名なことわざがあります。
“When life gives you lemons, make lemonade.”
直訳すると「人生がレモンをくれたら、レモネードを作れ」。
ここでいうレモンは「酸っぱいもの=困難や不運」の象徴です。
一方、レモネードは「甘くて美味しいもの=前向きな成果」を表します。
つまり、「予期せぬ出来事や不運を受け入れ、それをどうにか良いものに変えなさい」という教えです。日本語の「災い転じて福となす」に近いイメージかもしれません。
ドラマ「This Is Us」とレモネード
アメリカの人気ドラマ「This Is Us」にも、このことわざが登場します。主人公の父ジャックが、子どもたちに語りかける場面です。

家族には思いがけない困難や悲しみが訪れます。しかしジャックは「レモンが来たら、レモネードを作るしかない」と伝えます。
ドラマ全体を通しても、登場人物は失敗や挫折の中から新しい意味を見つけていきます。まさに「レモンをどうレモネードに変えるか」を描いている作品だといえます。
エフェクチュエーションの「レモネードの原則」
このことわざは、起業家の思考法「エフェクチュエーション」にもつながっています。
エフェクチュエーションとは、サラス・サラスバシー教授が提唱した考え方で、起業家が不確実な環境で意思決定をするときの原則を整理したものです。その中に「レモネードの原則(Lemonade Principle)」があります。
これは「偶然や想定外の出来事を否定せず、むしろ活かして新しい展開につなげる」という考え方。まさにことわざをビジネスに応用したような原則です。
起業・小規模事業での実践
小さな事業をしていると、計画通りに進まないことの方が多いはずです。売上の見込みが外れる、顧客層が想定と違う、予算が足りない——。これらは一見“レモン”のような出来事です。
そこで大事なのは「じゃあ今の状況で何ができるか?」をもう一度問うことです。
- 広告が効かなかった → SNSや口コミを試してみる
- 顧客が想定と違った → その層に合わせてサービスを調整する
- 仕事が減った → 空いた時間でサイトや仕組みを整える
そうした工夫が、新しい出会いや小さな成果につながります。
私自身のレモネード
税理士の仕事も「レモネードの原則」を感じることがあります。
税理士といえば「毎月訪問して、経営のアドバイスをするコンサルティング」が一般的です。けれども私は「経営コンサルティング」は得意ではありません。
そのかわり、文章で落ち着いてやり取りしたり、必要な手続きを丁寧に進めることは自分に向いていました。そこで「最低限のサービスを、非対面で効率的に提供する」という形を選びました。
結果として、「経営コンサルティングをする税理士」ではなく「職人が本業に集中できるよう支える税理士」という立ち位置が見えてきました。苦手を克服するのではなく、自分に合ったスタイルを形にできたのです。
まとめ
「人生がレモンをくれたら、レモネードを作れ」
ことわざ、ドラマ「This Is Us」、そしてエフェクチュエーションの原則。すべてに共通しているのは、困難や偶然を「無駄」としない姿勢です。
起業や小さな事業では計画通りにならないことばかり。だからこそ「何ができるか?」を問い直し、そこから自分らしいレモネードを作っていければいいのだと思います。
