税理士って、「コンサルっぽい仕事」してるイメージ、ありますよね。
数字見て、改善点アドバイスして、
なんかこう、会社の舵取りも一緒にしてくれる人…みたいな。
正直なところ、私も20代前半の頃は、
「税理士より、コンサルのほうがカッコよくない?」って思ってて、
実際、そういう会社に就職したこともありました。
でも今の私は、経営コンサル、やってません。
ていうか、できないし、やろうとも思わない。
コンサルをやらない理由、ちゃんとあります
まず大前提として、
税理士って「税金の専門家」ではあるけど、
経営の専門家ではないんですよね。
もちろん数字は見ます。会計データから見えることはたくさんある。
でもそれってあくまで、税務的・会計的な視点。
本当の意味で経営に踏み込んだコンサルって、
その会社の規模や業種や人の関係性まで全部含めてやるものだと思っていて。
スケールしない自分には、背負えないことがある
たとえば、月商数千万、社員数十人って会社なら、
「次どう動くか」が死活問題なわけで。
そこでアドバイスするには、
こっちもそれなりの規模感の経験や説得力が必要だと思うんです。
私はスケールしてないし、そういう世界に身を置いてない。
だから、リアルな実感をもって「こうしたら?」とは言えない。
悩みを共有できないのに、助言するのって無理があるなって思う。
餅は餅屋。ピザ屋はパスタを無理に出さない。
たとえば私がピザ専門店だったとして、
お客さんから「パスタも食べたい」って言われることがあったとする。
でも正直、パスタ得意じゃない。
自分でもそんなに作ってないし、自信ない。
ここで「ニーズあるし、頑張って作ってみるか〜」ってやったところで、
出てくるのはそこそこなパスタ。
それなら、ちゃんとしたパスタ屋さんを紹介したほうがいい。
お客さんだって、なんとなく「微妙なパスタ」より、
「うちのピザに全力出してます」って言われたほうが気持ちよくないですか。
自分の専門に、ちゃんと集中したい
私は、自分の仕事を「税金の安心をつくること」だと思っています。
数字の相談や、帳簿や、確定申告や、ちょっとした困りごと。
そういう“ふつうの人のふつうの営み”に寄り添うのが、自分の役割かなって。
だからコンサルはしません。
したくないし、しないほうが、お互いに気持ちいいと思ってます。
最後に
必要なのは、“なんでも屋”じゃなくて、
“信頼できるプロが、必要なプロにつないでくれる”ことだと思うんです。
私がやるのは、ピザのこと。
経営のパスタは、信頼してるおいしいパスタ屋さんにお任せします。
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伊藤 功明(税理士)
仙台を拠点に、個人事業主や小さな法人の税務をサポートしています。
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年に1回は、「数字みてぶっちゃけどうですか?」や「定期的に打合せしたい」というお声を頂きますが、ひねり出せばアドバイスできることもあるかもしれませんが、正直、無責任なことは言わないほうがいいと思っている節があります・・・。